離職票とは?離職証明書、退職証明書との違いと交付手続きの流れ

会社を辞めた後、多くの人がハローワークへ失業保険の申請を行うことでしょう。失業保険の申請に必要な書類が「離職票」です。離職票が無ければ、失業保険を受給することができず、とても大切なものです。

失業保険は、申請から支給開始まで、最短でも5週間前後はかかります。そのため、離職票を早く発行してもらい、迅速に手続きを行いたいところです。今回は、転職経験はもちろん、ハローワークでの手続き経験も豊富な筆者が、離職票についてご説明します。

また、離職票とよく似た書類である、離職証明書、退職証明書との違いについてもご紹介しましょう。

1.離職票とは?

離職票は、正式名称を「雇用保険被保険者離職票」と言います。雇用保険に加入していた人が、退職後に失業保険を受けるための印籠のようなものです。

離職票は、退職後に会社とハローワークを書類が行き来することもあり、退職時に用意されるものではありません。退職後2週間〜1ヶ月の間に、自宅に郵送されます。

そのため、退職する時には離職票の郵送先を伝えておく必要があります。退職後、1ヶ月経っても手元に届かない場合は、会社に確認すると良いでしょう。

また、退職をする際に、総務の担当者から「離職票はどうしますか?」と聞かれることがあります。この時、次の就職先が決まっていて、失業保険を受ける予定がなかったとしても、発行してもらうことをおすすめします。

何故ならば、離職票は、転職先で提出が求められることがあります。

筆者は、最初に転職する際に、総務の担当者から離職票の発行についての説明があった際に、よくわからずに「いらないです!」と言ってしまい、後々「やっぱり離職票を発行してもらえますか…?」と会社に依頼し、気まずい思いをしたという経験があります。

ハローワークでも離職票を発行してもらうことは可能ですが、どちらにしても二度手間になってしまいます。このような経験をしないように、退職する時には必ず離職票を発行してもらえるように、お願いしておくと良いでしょう。

2.離職票と離職証明書との違い

離職票と混同される書類が「離職証明書」です。

離職票は、会社を辞めた人が、ハローワークで失業保険の手続きを取る際に必要な書類なので、会社から退職者へ郵送されます。一方、離職証明書は、会社が従業員の退職に伴い、ハローワークに提出する書類となります。

離職証明書の提出は特に義務付けられているものではなく、退職者が離職票の発行を希望している場合のみ、会社がハローワークに提出する書類となっています。そのため、退職時に離職票が必要か不要か確認するのです。

この、離職証明書とともに、雇用保険被保険者資格喪失届をハローワークに提出すると、離職票が会社に届くことになります。会社は発行された離職票を退職した社員に対して届けることで、離職票の発行が完了するという流れになります。

3.離職票と退職証明書との違い

退職に伴って発行される書類の中で、離職票と似て非なる効果を持った書類が「退職証明書」になります。

退職証明書とは、会社が「この人は会社を退職しています」という証明をする書類です。この退職証明書は、ハローワークなどの公的な機関に提出するための書類ではありません。

そのため、離職票のように発行する・しないの意思確認はされません。退職証明書が欲しい場合には、退職証明書を発行して欲しい旨を会社に伝える必要があるので注意しましょう。

退職証明書は、決まったフォーマットはありませんが、業務の種類・地位・試用期間・賃金・退職の理由の5項目が書かれていないと、退職証明書の効果が無くなってしまうので、受け取った後はしっかりと内容が入っているか、チェックするようにしましょう。

退職証明書が必要なケースとは?

退職証明書は、基本的に離職票があれば同様の効果を発揮するので、必要ありません。

しかし、稀に転職先の会社に提出を求められることがあります。なぜならば、退職証明書には退職理由が記載されているからです。

退職理由を確認するために、企業が提出を義務づける場合もあるので、退職理由についてはしっかりと確認しておくと良いでしょう。その他には、持病などで通院している場合、国民健康保険や国民年金への加入手続きが早急に必要となる場合です。

これらは離職票があれば手続きをすることが可能ですが、上述したように、離職票は退職から2週間〜1ヶ月程度で自宅に郵送されることが一般的なため、この期間の間に病院にかかったりする場合、保険証が無ければ実費となってしまいます。

早期に国民健康保険に加入したいという場合には、退職証明書で代用することが可能です。離職票が届くまでに通院の予定がある場合は、退職証明書の発行をお願いしておくと良いでしょう。

4.離職票の交付手続きの流れ

離職票は、具体的にどのような手続きで交付されるのでしょうか?

離職票を交付するためには、まず会社が離職証明書をハローワークへ提出するところから始まります。離職票の発行自体は特に義務付けられているものではなく、退社する従業員が希望した場合は発行するというのが通常の流れとなっています。

しかし、失業保険の受給手続きで利用する場合もあり、離職票はとりあえず発行するという企業も多いようです。離職証明書がハローワークに届くと、ハローワークから会社へ離職票が発行されます。

ハローワークへの提出は、退職日から起算して10日以内に提出しなければならないという決まりもあります。離職票は2種類用意されており、「雇用保険被保険者離職票-1」と「雇用保険被保険者離職票-2」という題名がつけられています。

離職票2は、離職証明書の複写となるので、記載された内容を確認し、退職者の署名・捺印も必要となります。ハローワークで、2種類の離職票の発行を受けた企業は、従業員へ郵送で届けるという流れになります。

5.離職票の記載方法

離職票に記載されている項目で、企業や退職者が記入するのは離職票2になります。離職票2は、左半分が過去6ヶ月間の給与について書かれています。離職票2の右側は、退職者と企業がそれぞれ記載する項目があります。

離職理由についてと離職区分を企業側が書いて、それに同意する旨の署名・捺印が必要な箇所が用意されています。離職票1については、ハローワークが作成するものとなり、特に記入するところはありません。

6.離職票の注意点

離職票の受け取りで注意したいポイントが2点あります。それは、出勤日数と署名についてです。最終付きの出勤日数のカウント方法と離職区分についてです。会社の給料支払日を基準として出勤日数は算出されるため、1ヶ月丸々働いたと思っていても、会社の算出によると数日のみの出勤だったというケースも珍しくありません。

離職票に記載される賃金額は、出勤日数が14日未満だと反映されないというルールが定められています。退職する際には、日程をしっかりと確認しましょう。離職区分については、自己都合なのか会社都合の退職なのかで、給付制限期間などが設定されるものになります。

離職票2については、企業側に優位になるように記載されている場合もあるそうです。しっかりと確認して不服がある場合は訂正をお願いしましょう。その上で署名・捺印しなければ同意したものとみなされてしまうので、ちゃんとチェックすることはとても重要です。

一般的に、離職票は退職後にハローワークへ提出することになるので、退職の手続きの時点では退職区分などが記載されていない状態で署名・捺印をすることがほとんどです。そうすることで、退職者が、退職後に再度来社したりする手間を省くわけです。

そのため、離職票がいざ届いた時には、退職区分などが企業側に優位に書かれている場合もあります。このようなケースを避けるためには、退職証明書へサインした後に、「解雇理由証明書」を発行してもらうようにしましょう。

この解雇理由証明書を発行しておいてもらえれば、離職票2に記載された解雇理由が相違していた場合でも、ハローワークで訂正してもらうことができます。また、離職票のトラブルで意外と多いものが、退職した会社から離職票が送られてこないというものです。

この場合、筆者のように自分で退職先へ離職票の発行をお願いすることもできますが、それでも送られてこない場合はハローワークに相談すると良いでしょう。ハローワークから督促してもらうことで、会社が送ってくれることもあります。

自分の身を守るためにも、必要な書類は事前に用意しておくように心がけると、失業に関する手続きがスムーズに運ぶでしょう。